もう使えないWebディレクターとは言わせない!Webデザイナーが一緒に仕事したいディレクター像とは

  • 2022年02月15日
  • 2022年02月14日
  • Mitsuki

  • ディレクション

Webサイト制作の中でも、重要な役割を持つWebディレクター。
クライアントにサイト制作の目的や対象などをヒヤリングし、適切なプランを提示。そしてWebデザイナーやコーダーにそれを正確に伝える。
クライアントと制作陣との間に立ち、もっともコミュニケーション力が試されるポジションであるとも言えます。

良いWebサイトを作るには、良いディレクションは必須であり、円滑なコミュニケーションは継続案件に繋がる要でもありますよね。

私は長い間、Webデザイナーとして様々なWebディレクターの方と仕事をしてきました。その中には一緒に仕事をしていて楽しく、円滑にサイト制作ができるディレクターと、そうでないディレクターがいました。

今回はWebデザイナーから見た、一緒に仕事したいWebディレクター像についてお話したいと思います。

サイトの制作意図やターゲットを把握し、一貫した制作プランを持つ

よく見られるのが、クライアントのヒアリングをおろそかにしていたばかりに、サイトの意図を汲み取れず、言っている事が二転三転し、多くの仕様変更が生じるパターンです。

こちらは、クライアントの言葉を表面的に捉えてしまい、深層心理を読み取れなかった場合などに起きてきます。経験を重ねないとなかなか難しい事ではあるのですが、サイト制作の意図やターゲットを曖昧にせず、クライアントと自分、双方で納得した一貫的なプランを構築するのが大切です。

クライアントやデザイナーの発言を伝言ゲームにしない

こちらは少し困った例ですが、クライアントの言葉を伝言ゲームのようにそのままデザイナーやコーダーに伝えてしまうWebディレクターです。

クライアントの中には深く考えずに、こうして欲しいとデザインに具体的な指示をしてこられる方がいらっしゃいます。
例えば「この文字を黄色にしてほしい」「ここのフォントをHG創英角ポップ体にしてほしい」などですね。

それをそのまま伝えられてしまうと、デザイナーとしては困ってしまうのです。なぜなら、こういったクライアントのデザインへの具体的な言及は、サイトのトーンや雰囲気を考慮していない事が多々あるからです。つまり、クライアントの言っている通りにしたらダサくなる、という事です。

まず、言葉の裏にある目的を尋ねること。文字を黄色にしたいのは目立たせたいから、フォントを変えたいのはもっとポップな感じにしたいから、という目的が分かったら他の方法で提案する事も可能ですよね。

逆のパターンで、デザイナーやコーダーからの質問や回答をそのままコピペのようにクライアントに投げてしまうWebディレクターです。時には意味を理解していないのにそのまま伝えてしまう人もいます。自分が理解できていないものはクライアントに理解できるはずがありません。

デザイナーやコーダーがコミュニケーションしているのはあくまでもディレクターとの間です。専門的な用語もあれば、言葉遣いが適切でない場合もあります。まずディレクターが理解したうえで、かみ砕いて適切な表現にしてからクライアントに伝えるのが大切です。

常にWebデザインのトレンドを把握しておく

元デザイナーではあるけれど何年もデザイン業務から離れている、デザインは学校で勉強したきり、というWebディレクターにありがちなのが、デザインへの認識が古い事です。

サイトがかっこよくならない、なんだか古臭くなってしまうような時は、ディレクターが作成したワイヤーフレームによる所も大きいのです。

Webデザインは日々進化しています。今のデザインのトレンドを把握していないと、クライアントに魅力的なWebサイトを提案することができません。
「デザインはデザイナーがするもの」という考えでデザインに興味を持たないのは間違いです。デザインの参考サイトなどで常に今のトレンドや実現可能なUIを把握すること。今、Webデザインでできる表現の幅を知っておくことが大切です。

Webディレクターのポジションは誰の上でもない。高圧的な態度を取らない事。

Webディレクター職はデザイナーよりも報酬が高い事が多く、また、デザイナーからWebディレクターへ転身される方も多く見られます。

だからといって、Webディレクターはデザイナーやコーダーより偉い、地位が上、という訳ではありません。ディレクターである、という理由でなぜか高圧的だったり、命令口調だったりするWebディレクターとはいくらクライアントとの折衝がうまくても、適切なディレクションをしていたとしても、一緒に仕事をしたくありません。

チームとして仕事をしているのですから、職種の上下はありません。どの職種の人にも敬意を払って仕事をするべきです。

コーディングやワードプレスなどをある程度知っておく

Webディレクターにもコーディングやワードプレスなどの知識はある程度必要です。クライアントからの要望が実現可能なのか、判断する必要があるからです。

特にワードプレスなどのCMSは日々進化しています。たまに自分でも操作してみてどのような機能があるか把握しておくだけでもディレクションに役立つでしょう。

自分だけで判断できない場合は、コーダーに相談すること。一番望ましくないのは、実現不可能な事や、予算を大きく上回る工数を必要とする要件を、ディレクターの「たぶんできる」の一存で決めてしまう事です。

機能追加や仕様変更により、工数がオーバーする場合はきちんとクライアントに交渉する

クライアントの都合で、当初の予定より機能やデザインの要望が増える等で、工数がオーバーするのはよくある事です。その時にWebディレクターさんにお願いしたいのは、クライアントときちんと納期の延期や費用追加の交渉をしてもらいたい、そして、拒否された場合は、その要件をお断りすることも視野に入れていただきたいという事です。

工数が予定よりオーバーする事で直接的なシワ寄せが来るのは、デザイナーやコーダーです。見積もりを出して、その納期でできます、と言ってしまった以上、デザイナーやコーダーは、こちらから費用の追加や納期の延期について切り出すことに躊躇してしまいます。駆け出しの頃は特に言いにくいのは理解できますよね。

要件の追加を頼まれたものの、納期を伸ばしてくれるのか費用を上乗せしてよいものか分からないまま、結局泣き寝入り。徹夜で赤字対応になってしまった、というWebデザイナーの方も多くいます。
追加の要件があった時はWebディレクターの方から費用を別途請求できる旨や納期の延期可能な旨を伝えていただけると、大変ほっとしますし不満なく対応する事ができます。

Webディレクターは感謝される職業

以上、Webデザイナー視点で、「一緒に仕事がしたいディレクター」について述べました。

デキるWebディレクターだと案件はスムーズに進み、結果良いサイトができあがります。クライアントだけでなくデザイナーやコーダーも気持ちよくやりがいをもって仕事をする事ができます。

炎上しそうな状況でも、上手くクライアントを納得させてくれるようなWebディレクターさんはとても尊敬しますし、頼りがいがあります。本当に感謝の言葉しかありません。

Webディレクターはクライアントと制作陣、双方から感謝されるべき存在です。ぜひ良いディレクターを目指してくださいね!

この記事を書いた人

Mitsuki

ドイツ在住フリーランスWebデザイナー。/元システム開発会社のSE・プログラマー → ロンドンに渡りWebデザイン及びWebプログラミングを学び、Webデザイナーとしてのキャリアスタート → 帰国しWeb制作会社に勤務→結婚を機にドイツへ移住/旅好き/映画好き/一児の母/Webデザイン/コーディング/WordPress構築

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