Webデザイナーの皆さん。クラウドソーシング等で案件を取る際に、提示された要件だけを見て応募していませんか?
また、内容を詳しく確認しないまま見積もりを出していませんか?
作業内容が曖昧なまま受注してしまったり見積もりを作ってしまうと、蓋を開けると作業ボリュームや工数が予想をはるかに上回っていたり、自分のスキルでは手に負えない要件が含まれていたりして、「そんなはずじゃなかった」という事態が起きてしまいます。
案件を取りたいがあまり焦ってすぐに応募し、見積もりをだしてしまったり、クライアントに質問したら迷惑がられるかも、鬱陶しいと思われるかも、と躊躇して受注前にしっかりと確認をとっていないと、後々本人が困る事になるばかりかクライアントにも迷惑をかけてしまいます。
そうならない為に、Webデザイナーが受注前・見積もり前にクライアントに確認をとるべき事項をまとめます。
目次
スケジュール
作業着手可能日
案件の相談があってもすぐに着手できるとは限りません。まだ構成ができていなかったり、ライティングが終わっていなかったりする場合も多々あります。
いつからこちらの作業が着手可能になるのか確認し、納期までに終わらせられるかの判断が必要です。
初版提出期限
デザインには提出後、修正依頼がある場合がほとんどです。納期ギリギリに提出しても間に合いませんので、初版の提出期限を確認します。
作業範囲
デザインのみか、コーディングも含むか、という事はクライアントから事前に提示される事が多いですが、構成案やワイヤーフレームが用意されているかという事が明確にされていない場合が多いです。
デザインだけかと思っていたら、ライティングもしなくてはならなかった、という事もあります。
また、コーディングをする場合はどのようなサーバを使用するかを確認する必要もあります。通常のレンタルサーバーにアップするだけならいいのですが、VPSやAWSなど構築に専門知識や工数を必要とするものがあり、その構築も作業に含まれている場合があるからです。
ボリューム
べージの長さ
LPのページの長さは5000px位から15000px以上のものがあり、短いものと長いものでは3倍以上の差があります。もちろん工数もそれに比例して3倍以上の差がでてきます。
ホームページの場合は、ページの枚数を確認する必要があります。
モバイルデザインの有無
スマホやタブレットのデザインを作成するかの確認も必要です。Webサイトのモバイル対応は必須ですが、それを事前にデザインとして作成しておくかどうかはクライアントによります。
スマホデザインは基本的に必要な場合が多く、タブレットは特に希望がない限り提出が不要な場合が多いです。
ページ数が多いWebサイトはトップページのみスマホのデザインを提出し、下層は不要という場合もあります。
納期が短く予算が限られている場合など、提出はPC版のデザインのみで、モバイルレイアウトはコーダーさんの判断にお任せします、という場合もあります。
サイトの機能
アニメーション
アニメーションが必要か、必要な場合、どのようなアニメーションを実装するかの確認は大切です。特にクライアント提示の参考サイトにアニメーションが含まれる場合は、同じようなアニメーションを期待されている場合があるからです。アニメーションといっても簡単なものから、専門的なテクニックがいる複雑なものまで様々です。
予算や納期を踏まえ、自分にはどこまでのアニメーションが制作可能か明確にし、クライアントの要望に答えられるか判断する必要があります。
CMS機能やEC機能の有無
Webサイトにお知らせ機能やブログ機能をつける場合、また、サイト管理者がHTMLやCSSの知識がなくてもサイトの内容を更新したい場合などは、WordPressやMovable TypeなどのCMS機能(コンテンツマネジメントシステム)が必要になります。
LPだから関係ないと思っていても、コンテンツ内にニュース欄を設けて更新していきたいといった場合はCMSの導入が必要です。
サイト内のカートで購入ができるEC機能を持つかどうかも同様に注意が必要です。
CMS機能やEC機能は通常のHTMLやCSSコーディングとは別に構築に工数がかかり、知識も必要ですので確認が必要です。
JS開発の有無
Webサイトにはハンバーガーメニューやスムーススクロールといった基本的なJSを使用する事が多いのですが、そのほかに、会話形式のコンテンツ(ユーザーの回答によって表示される内容が変わっていく)だったり、診断コンテンツだったり、フォームに独自のバリデーションをさせるためのJSの開発が必要になる事があります。
コーディングの要件
テキストコーディング
SEOを意識し、文章構成に忠実にマークアップしたコーディング方法です。通常のWebサイトはこちらとなります。
画像コーディング
主にLPに見られるコーディング法で、セクションを丸ごと画像で書き出して並べるだけのコーディングです。簡単ではあるけれどSEOはかなり弱いです。
難易度が低く工数がかからない事から、納期や費用を抑えたい場合に採用される事があります。
LPで、広告からの流入が獲得できれば検索順位はさほど重要ではないといった場合に使用されます。
受注前・見積もり前に把握しておくのが大切
思ったより確認事項が多いと思われたのではないでしょうか。
上記の項目を把握できたら、自分のスケジュールや持っているスキルで制作できるかどうかを判断した上で受注するかを決め、見積もりを出します。
制作に入ってから「やっぱりできない」では遅すぎます。
最初に焦らずしっかりと確認をとるように心がけると、見積もり時の予定工数と実際の工数との差異が少なく、予定通りのスケジュールで作業を進めていくことができます。